『キック・アス/ジャスティス・フォーエバー』(ジェフ・ワドロウ)

Kick-Ass 2/US

1作目よりシリアスさを増した2作目。バイオレンス描写の過激度が増しているが、続編ならではの安易なドーピングというよりも、ヒーロー活動、自警活動のダークサイドを表現する上での必然的な描写と思われる。ヒットガールとレッドミスト(マザーファッカー)は父親の呪縛にとらわれているという点で共通している。この際、キック・アスの役割はもっともっと後退させて二人の対比にしぼった方がよかったのでは。ヒットガール、レッドミスト、キック・アス三者三様のモチベーションで動いており、最後まで平行線なので1作目のようなカタルシスには欠ける。アクションシーンも1作目ほどのフレッシュさはないが、新ヴィラン、マザーロシアの振り切れぶりは出色。