『呪いの家』(ルイス・アレン)

The Uninvited/US

ジャズのスタンダード「星影のステラ」は本作のために書き下ろされたものという。劇中に登場するのは一瞬だが、印象を残す。この時点では歌詞ができていない。その後、ネッド・ワシントンのペンにより歌詞が加わりヒットする。本作は屋敷にとりついた幽霊をめぐる正調ホラーだが、二人登場する幽霊の動機をめぐる謎解きなどに趣向がある。ローキーによるフィルムノワール的なメソッドがふんだんに使われている。キャメラマンのチャールズ・ラングは撮影賞でオスカー。『復讐は俺に任せろ』『幽霊と未亡人』『麗しのサブリナ』などで腕をふるう。ステラ役のゲイル・ラッセルも美しい。当時にはめずらしいA級予算のホラーでセットも、スタッフも、キャストも絶品。窓の外の海があり、水面の影が天井にうつる照明などみごとだ。