『ハリー叔父さんの悪夢』(ロバート・シオドマク)

The Strange Affair of Uncle Harry/US

私の苦手なジョージ・サンダースがここでは口うるさい妹(姉?)たちの言いなりのさえない独身男性を演じている。何としても兄を結婚させたくない妹レティ(ジェラルディン・フィッツジェラルド)と恋人を家族の呪縛から救い出そうと毅然とした態度をとるデボラ(エラ・レインズ)、ふたりの美女の対決が見もの。レティの狡猾な悪女ぶりは終盤、主人公へ呪詛の言葉を投げかける場面で頂点に達する。こういうシーンに弱い。シナリオは同じくシオドマクの傑作『幻の女』のジョーン・ハリソン。この映画がヘイズ・コードの要請により、結末が夢オチに改変されたことに抗議し、ユニバーサルを去ったという。